『世にも不思議な与那国合宿』〜プロローグ〜
序章
百合の薫りは魔法のじゅもん
2008年3月16日(日曜日)。
与那国島から帰ってきて、はや4日目。こうしてキーボードを打ちながら、コンピュータのモニターを見ていると、その向こうに、楚々としてうつむき加減に花弁を開いている白い百合の花が目に入る。
時々、ふとした瞬間に、清楚でかぐわしい香りがふわりと鼻腔に届く。そのたびに、あの島で体験した幸福感がハートに蘇り、その感覚が全身にじんわりと広がる。
私は目を瞑りたくなる。瞑るとすぐに内へ入っていく。
私は暖かい日差しの中、宇良部岳の頂上に居る。雨に打たれながら、比川浜を素足で踏みしめて居る。満点の星の元、百合の咲く草地に居る。夕陽に照らされて久部良バリに立って居る。水平線から昇る朝日を待ってサンニヌ台に座して居る。
ひとつひとつの体験が、涙が出るほどに、私の中で豊かで美しい。私の中で歓びに満ちている。
与那国では実際、たくさんたくさん泣いた。そのすべてが、感動の、歓びの、感謝の涙だった。
私は、感謝の涙、というのを初めて体験した。“真に満ち足りる”という心の状態を初めて体感した。
初めてがいっぱいだった。何ものにも変えがたい体験をたくさんした。
帰ってきてから、それらを振り返ってノートに書いた。書くだけで、その魔法の体験は、たちまち私を幸せにしてくれた。
この素晴らしい魔法が永遠に続けばいいのに。私は、子どものように無垢にそう願った。
すると、あるインスピレーションがやってきた。
「本」。文庫本が見えた。
帯には「映画化決定!」の文字と写真。
この旅の記録を本にする。その物語はやがて映画になる。そう感じた。その思いを一日自分の心の中に置き、次の日もノートを書いた。
そして、確信した。これらの体験を「本」という記録の中に永遠に留めよう、そして、たくさんの人に読んでもらおうと。
これは、オムニバス形式でなければならない、と思った。
なぜなら、この合宿での私の体験と学びは、他の参加者10名それぞれの体験と学びと複雑に絡み合い、相関し合い、成立しているものだから。
私たちはよく「共同創造」という言葉を使うけれど、この体験ほど、それを実感したことはなかった。
顕在の私とマイスピリット、顕在の私とマイスピリットの具現であるdozen/Ren(蓮)、顕在の私と顕在の仲間、顕在の私と、仲間のスピリット、顕在の私と高次(元)の存在。そして、顕在の私と与那国島という土地、私という魂とこの土地。
これらの関係がすべて一つのものとして、確かに機能していた。
ワンネス。
対峙するものすべてが、自分の鏡だった。
そこに咲く花も、そこに飛ぶ蝶も、話す相手も、なにもかもが全て、自分の意志が創り出したものなんだ、とわかった。
それを描くには、一つの真実を、それぞれ違った目線からの体験に照らすのが面白いだろうと思う。
自分がひとつの体験をしているときに、隣に居た人はどんな体験をしていたのか。どんな物語になるのか、想像するだけでワクワクしてくる。進んでみないと、先がわからないストーリー。
この日記は、その物語のためのピースの一片。
ピースを重ねてゆき、仲間のピースと合わせて、ひとつのストーリーを組み立てる。
ノンフィクションでありながら、読む人にとってはフィクションのように感じると思う。
自分ですら、その真実が、信じられないような感覚がある。
でも、すべてがまぎれもない真実。だから、面白い。
世にも不思議な真実の体験談を綴ろう。
今日は、その1日目。
大切に、大切に、大切に、綴りたい。
百合が薫る。
高次からもらったギフトの百合。
四つの百合と、二つの蕾だった。
一つは持って帰ってすぐに枯れてしまった。
入れ替わりに蕾の一つが開花した。
ほどなく、もう一つの蕾も開花した。
だから、いまは、五つの百合。
どの百合も自然に受粉している。
魔法にかかる。
いつまでも醒めない、魔法に。
(つづく)
*************
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序章
百合の薫りは魔法のじゅもん
2008年3月16日(日曜日)。
与那国島から帰ってきて、はや4日目。こうしてキーボードを打ちながら、コンピュータのモニターを見ていると、その向こうに、楚々としてうつむき加減に花弁を開いている白い百合の花が目に入る。
時々、ふとした瞬間に、清楚でかぐわしい香りがふわりと鼻腔に届く。そのたびに、あの島で体験した幸福感がハートに蘇り、その感覚が全身にじんわりと広がる。
私は目を瞑りたくなる。瞑るとすぐに内へ入っていく。
私は暖かい日差しの中、宇良部岳の頂上に居る。雨に打たれながら、比川浜を素足で踏みしめて居る。満点の星の元、百合の咲く草地に居る。夕陽に照らされて久部良バリに立って居る。水平線から昇る朝日を待ってサンニヌ台に座して居る。
ひとつひとつの体験が、涙が出るほどに、私の中で豊かで美しい。私の中で歓びに満ちている。
与那国では実際、たくさんたくさん泣いた。そのすべてが、感動の、歓びの、感謝の涙だった。
私は、感謝の涙、というのを初めて体験した。“真に満ち足りる”という心の状態を初めて体感した。
初めてがいっぱいだった。何ものにも変えがたい体験をたくさんした。
帰ってきてから、それらを振り返ってノートに書いた。書くだけで、その魔法の体験は、たちまち私を幸せにしてくれた。
この素晴らしい魔法が永遠に続けばいいのに。私は、子どものように無垢にそう願った。
すると、あるインスピレーションがやってきた。
「本」。文庫本が見えた。
帯には「映画化決定!」の文字と写真。
この旅の記録を本にする。その物語はやがて映画になる。そう感じた。その思いを一日自分の心の中に置き、次の日もノートを書いた。
そして、確信した。これらの体験を「本」という記録の中に永遠に留めよう、そして、たくさんの人に読んでもらおうと。
これは、オムニバス形式でなければならない、と思った。
なぜなら、この合宿での私の体験と学びは、他の参加者10名それぞれの体験と学びと複雑に絡み合い、相関し合い、成立しているものだから。
私たちはよく「共同創造」という言葉を使うけれど、この体験ほど、それを実感したことはなかった。
顕在の私とマイスピリット、顕在の私とマイスピリットの具現であるdozen/Ren(蓮)、顕在の私と顕在の仲間、顕在の私と、仲間のスピリット、顕在の私と高次(元)の存在。そして、顕在の私と与那国島という土地、私という魂とこの土地。
これらの関係がすべて一つのものとして、確かに機能していた。
ワンネス。
対峙するものすべてが、自分の鏡だった。
そこに咲く花も、そこに飛ぶ蝶も、話す相手も、なにもかもが全て、自分の意志が創り出したものなんだ、とわかった。
それを描くには、一つの真実を、それぞれ違った目線からの体験に照らすのが面白いだろうと思う。
自分がひとつの体験をしているときに、隣に居た人はどんな体験をしていたのか。どんな物語になるのか、想像するだけでワクワクしてくる。進んでみないと、先がわからないストーリー。
この日記は、その物語のためのピースの一片。
ピースを重ねてゆき、仲間のピースと合わせて、ひとつのストーリーを組み立てる。
ノンフィクションでありながら、読む人にとってはフィクションのように感じると思う。
自分ですら、その真実が、信じられないような感覚がある。
でも、すべてがまぎれもない真実。だから、面白い。
世にも不思議な真実の体験談を綴ろう。
今日は、その1日目。
大切に、大切に、大切に、綴りたい。
百合が薫る。
高次からもらったギフトの百合。
四つの百合と、二つの蕾だった。
一つは持って帰ってすぐに枯れてしまった。
入れ替わりに蕾の一つが開花した。
ほどなく、もう一つの蕾も開花した。
だから、いまは、五つの百合。
どの百合も自然に受粉している。
魔法にかかる。
いつまでも醒めない、魔法に。
(つづく)
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